「アンタその武器、全部使うの?」
俺に向けてそう尋ねた少年に、俺は「そうだ」と返答する。
新しくやって来た仲間、彼はヴァンと名乗った。
ティーダに似て、快活そうな笑顔が特徴の明るい少年の様だ。
「お前も、武器を持ちかえて闘うタイプだろう?バッツとは少し違うみたいだけど」
さっき彼のクイックバトルを見せて貰ったのだが、自分と同じ様に多彩な武器を扱うタイプのようだ。
違う点と言えば、俺よりも身軽に動けるという事だろうか。
「まあ、扱えると言っても……俺は独学で学んだ、に近いかな?俺の世界では戦争が続いてて、必要ならばどんな武器でも使えた方が、便利が良いし」
そう言うと、少年は俺の話に小さく頷いた。
「オレもそんな感じかな。俺の国も戦争で負けてさ……でも終わりじゃなかったんだよな。なんか色んな事に巻き込まれて…でも、元々は町で知り合いの手伝いとかして暮らしてたんだ。
邪魔になる弱いモンスターとか、そういうのを追い払ったりはしてたけど」
「俺も狩りをして生活してたんだ。義兄に剣を教えて貰ったり、義妹に弓を教えたりして……」
「オレにも兄貴が居たよ」
「そうか」
そこまで聞いて、どうやらこの少年と自分は似た境遇を持つ様だ、と思った。
「ヴァンの故郷は、どういう所だったんだ?」
そう尋ねると、少年は俺から視線を外して空を見上げた。
「オレの故郷は……砂漠の中にある凄く大きな国なんだ、周辺の町や村から、色んな人や物がやってくる大きな町、町の外は何もない砂漠だけど、でも豊かで綺麗な町だった」
空を見る少年の顔が、輝いている。
故郷の空を、思いだしているのだろうか?
「……アンタ、えーと」
ふと俺に視線が戻り、どもる少年。
「フリオニールだ」
「フリオニールの故郷は、どんな所?」
興味から聞かれたのだろう、少年の質問に俺は少し微笑み、答える。
「俺が生まれたのはヴァンとは反対で、雪国なんだ…小さくて静かな町で、両親と一緒に暮らしてた。だけど、戦争で両親が死んで、その後は緑が豊かな国で、仲間達と一緒に住んでた」
その故郷が戦火で焼かれた光景をふと思い出して、俺の内側がズキッと痛んだ。
「なんか、こうやって話聞いてるとオレとアンタって似てるかも、な」
少年の呟きに、俺は「そうみたいだ」と答える。
どうやら、同じ事を考えていた様だ。
「なぁなぁ、今度オレにも弓の扱い方教えてくれないか?」
「使えるんじゃないのか?」
「アンタ上手そうだし、ちゃんとした使い方見てみたいんだよ」
そう言う少年に、俺は笑顔で了承の意を伝える。
「なら、あの武器の使い方教えてくれないか?スコールの武器に似てるけど、ブレードの無い…」
「銃の事?」
「そう、それ……俺の世界には無かったんだ、そういう武器」
そう言うと、今度は少年が驚いた。
他の世界から来た仲間達から聞けば聞く程、自分の世界との文化の違いに驚かされる。
だけど、新しい事を知る事ができて、それは楽しい。
「じゃあ、約束な」
「ああ」
輝く太陽の様な笑顔を見せる少年に、俺も微笑み返して「約束だ」と言った。
「どうしたのティーダ?」
騎士にそう尋ねられて、新人と自分が慕う人が仲良くしているのを影からこっそりと見守っていたティーダは、顔を上げた。
「あの新人……前から俺に似てるって、言われてるッスけど……。
フリオの隣は絶対に渡さねぇ!!」
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いや、ほら……フリオとヴァンは共通点が沢山あるな、と思いまして。
「孤児である」・「庶民出身」・「故郷が戦争で負けた」・「叶えたい夢がある」・「武器を沢山使う」
あと記憶としては怪しくなっているんですが、確かヴァンも反乱軍系の人と協力したりしてましたよね。
っていうか、アーシェが反乱軍の指揮取ってるし、パーティーに反乱軍の人が一時期加入してたし。
フリオの世界でも、反乱軍の指揮を取ってたのはヒルダ王女でしたしね。
それを考えると、この二人は絶対に話が合うハズ!
ヴァンって、結構お調子者系の子だったので、オカンなフリオだと放っておけないハズ!
結果、よし絡めよお前等…って本気で思ったんです。
新人がフリオと絡んで、しかも結構仲良さそうなのを、前回からのメンバーが凄くやきもきしながら見てるとか、そういうのも萌えると思うのですよ!
とりあえずヴァンとフリオが、何かストーリーで絡んだりしないか……と、とっても楽しみにしてるんですが。
誰か、同士様求む…です。
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