『毒草師~QED another story~』
高田崇文さんのシリーズ小説『QED』という推理もののシリーズ小説の派生版です。
勿論、本編シリーズを読んでいた方が面白いんですけれども、アナザーストーリーだけ読んでも一つの作品として読めますよ。
QEDはシリーズは、古典作品を絡めた推理小説なんですね。
旧家等の歴史ある家で起きた事件について、推理を進める中で、古典文学に触れていくのです。
因みに、アナザーストーリーで取り扱われているのは『伊勢物語』です。
旧家の離れに人が閉じこもって、挙句その人が消える…という謎の事件が何度も起きて、その謎を解くというそういう話なんですけれども。
まあ、色々と抱え込んでいるんですねこの家族…。
タイトルの毒草師というのは、この小説に出てくる登場人物の肩書です。
これが主人公の隣人で、中々の知恵を持ち合わせている…まあ推理小説でいえば、探偵役になるのですが…。
この隣人、色白で能面の様に無表情(でも顔立ちは整っているらしい)、プライド高くて我儘というか、人を見下した様な態度を崩さない…人が質問してきても無視、自分の流れは絶対に譲らない、他人の事なんてお構いなし、ゴーングマイウェイな人な訳なんですが。
ここまでで予想出来た人がいるかもしれませんが、なんていうか…読んでいると、この毒草師さんは皇帝陛下の様に見えてくるんですね。
いや、問題なのは…この隣人を持つ雑誌記者。
医学系の雑誌編集社に勤めていて、なんていうか隣人に振り回され、編集長に振り回され、親しくしてもらってる女性のライターにドキドキして……。
隣人の毒草師が調合した薬を貰って、めちゃくちゃ不味いけど、なんか効果はありそうだし…どうしようかなと迷った結果「どうせタダだし、いいか」とか思っちゃう。
アレ……この子、誰かに似ている。
はい、とってもフリオに似てます。
いや、違う人なんだというのは分かってるんですけれども…読んでいると、どうしても彼に見えてくる。
駄目だ、コイツ本当に末期らしい…そう自分でも思いました。
いやぁ……もうとっても、とっても皇帝とフリオに見えて一人で盛り上がっていました。
新シリーズスタートなんて書いていたので、コレはコレで新シリーズとして続いていくようです。
気になった方は、ちょっと手に取ってみて下さい。
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