「フリオ先生さ、学生時代は何か部活してたんッスか?」
生徒からの質問に、俺は「ん?」と問い返す。
「俺は実はビーチバレーしてたんだ」
そう言うと、「ほえー」という感嘆の声が上がる。
「先生、確かに似合いそうッスね」
「色黒いのはその所為?」
「背高いしな」
若干一名の発言は全く関係ないんだけど、生徒達の関心を集めているようだ。
今でこそ少しずつ脚光を浴びてるみたいだけど、俺が現役の選手で試合してた頃なんて、そんなに注目されてはいなかったし。
「でも先生、恥ずかしくなかったんッスか?」
綺麗な瞳で見上げる青年に、俺は首を傾ける。
「何が?」
「えっ……だってさ、ビーチバレーのユニフォームって水着っしょ?」
「まあ、そうだけど」
そりゃあビーチだから、水着だよ。
「先生、あの超ピッチピチの水着、着てたんッスか?」
「はぁ?」
「ああ、あの超ビキニな」
いやいや……お前たちが想像してるのは、多分…女子の方だと思う。
「いや、男子のユニホームはもっと普通の……」
「先生……ちょっといいですか?」
俺の背後にかけられる、凛と通った声。
「あっ……委員長」
待って、お願い…嘘だと言ってくれ。
「すまないな、先生を借りていくぞ」
「はいはい、相変わらず先生好きッスよね、委員長」
「……そうだな」
そこ、肯定していいのか!?いや、しかもお前達三人もそれで納得して離れるなよ!!
彼に、引き摺られるように連れて来られた資料室。
背後で今、ガチャン…という音がしたけれども、もしかして鍵閉めたのかな?学級委員長。
「先生、ビーチバレーをしていた、という事ですが……あんな大胆な格好して、海辺で試合してたんですか?」
怒っているかの様な真剣な瞳で、彼はそう尋ねる。
「いや多分、想像してるのとは違うと思うんだけど」
どういう訳か、彼等が想像しているのは女子のユニフォームだと思う。
確かに、女子はどういう訳か露出が高めだけど、男子は全然そんな事ないし。
「似合うと思いますよ、先生」
「いや、似合うって……何が?」
「ビーチバレーのユニフォーム。先生の体、締まっていて綺麗ですから。あんな体のラインが全て出るようなユニフォームは、とても似合うでしょうね」
そう言うと彼は、ニヤリとした笑みを作る。
ああ、嫌な予感がする。
「着て下さいよ、先生」
「…………何を?」
「ビーチバレーのユニフォーム」
「……もう現役のは、着れないと思うんだけど」
「私が用意しますよ、先生の為に」
ウォーリア君……それ、絶対俺の為じゃないよね?
君の、そのとっても楽しそうな笑顔が、全てを物語っているよ…ねぇ。
「他の男に見せていたモノを、私に見せられない…なんて言いませんよね?」
君の背中から放ってくる威圧感、どう考えても、俺に拒否権ないって…そう言ってるよね?
恐る恐る頷くと、彼は表情を緩めて俺の額へとキスを送ってくれた。
後日、彼の家に呼ばれた結果、本当にユニフォーム(女子用)を、本気で着せられた。
彼の目的なんて、言わなくても勿論分かってたよ……。
この学級委員長に、教師の俺が何故勝てないのだろう…。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
それは、生徒がWOLだからだと思うよ、フリオ……。
ビーチバレー女子の水着は、どうしてあんなに肌の露出が無駄に多いのか。
見ていてとってもエロいな、と思ってしまうわけです。
でも、フリオは似合うと思いますよ…女子のユニフォーム。
太股と腹筋を華麗に露出して試合すればいいですよ、ビーチが(鼻)血の海になると思います。
フリオならなれますって!ビーチの妖精に!!
ビーチバレーは二人一組なので、もしDFFメンバーと組むならティーダがいいかな……。
因みに、男子のユニフォームはタンクトップに普通の男性用水着(膝くらいまでの長さのヤツ)でした。