どうも、クリスマスの予定?そんなのないよ!!…な管理人・葵です。
タイトルはドイツ語でクリスマスという意味なんです、でもドイツ語だからって大して意味はありません。
暇なので、ちょっと手の凝った事でもしてみようかと思ったんです。
キーボードでウムラウトをどうやって表すのか知らないので、綴字記号の付いていない単語でちょっと安心しました。
クリスマスらしい事は、毎年そんなにしませんね。
夕食にフライドチキンが出ますし、あとケーキ食べたりしますけれども…まあ、その位です。
クリスマスツリーとか、小学生低学年の頃から出してませんよ…だって、大掃除前に面倒じゃないですか。
まあ、どうせウチも仏教徒ですしね…クリスマスはただのお祭りですよ、参加しなくとも可な感じです。
雰囲気が可愛いので、好きですけれどもね。
さてさて、以下に間に合いそうになかったWOL×フリオ、クリスマスネタ。
WOLがピアニスト設定の現代パロ、続きからどうぞ。
「クリスマスの予定は、どうなっている?」
そう彼に聞かれて、俺は「何も無いよ」と答えた。
「もし、君がいいと言うなら…別荘に遊びに来ないか?」
静養の為に毎年冬には訪れるらしい、彼の所有する別宅へ招待したい…なんて言われて、戸惑いを覚えつつも俺は直ぐに「行く」と返答した。
「……凄いな…」
「そうでもない」
彼はそうやって否定したが、目の前にあるのは雪の中に佇む洋館である。
「普段は使っていないのか?」
「いや、他の季節には他の家族が使っている、この時期に使うのは私だけだ」
その言葉に、何か違和感を覚えて俺は彼を見返す。
「家族は、来てないの?」
てっきり、家族も一緒なのかと思っていただけに、俺達と彼の付き添いで来ていたお手伝いさん以外に誰も居ないこの館に、何だか寂しさを感じた。
「寒い季節にわざわざ寒い場所に赴く理由が分からないと、毎年言われる」
まあ、確かにそうかもしれないけど…でも。
だとすれば、彼は何時、家族と過ごしているんだろう?
「家族はあまり好きじゃないんだ」
そんな俺の疑問を見透かしたように、彼はポツリとそう呟いた。
「それに、両親は忙しいからな…あまり家族で共に過ごすような日々を送った経験はない」
「…それ、凄く寂しかったんじゃないのか?」
「いや、馴れている」
何て事もないようにそう答える彼の声が、俺には余計に寂しく聞こえる。
「それに、今年は君が一緒だ」
「えっ……」
「君が居るから、今年は例年よりもずっとここへ来るのが楽しみだった」
恥ずかしげもなくそんな事を口にできるウォーリアに、俺は赤面する。
それを見て微笑む彼が、俺の手を取って「案内しよう」と言った。
夕食の後に、ウォーリアは俺の手を取って立ち上がらせると「来てくれ」と奥の部屋へと連れて行く。
昼に案内してくれた場所ではなかったので、一体何があるのかとそう思っていたのだが、普段から落ち着いた印象を持つ彼の、どこか子供っぽい、楽しそうなその雰囲気に、俺は黙って付いて行った。
「ここだ」
少し重そうな木製のドアを開けて、彼が指した先には大きなホールが広がっていた。
夜になって真っ暗な室内には、柔らかなキャンドルの明かりが満ちていて、幻想的だ。
「綺麗だな…」
「ああ…フリオニール、こっちへ」
そう言って彼は俺をホールの中央へと連れて行く。
「ピアノ?」
中央に置かれた真っ黒なグランドピアノの前に、彼は椅子を引いて腰かけると、自分の隣を指示した。
ちゃんと、俺の席も用意してくれていたようだ。
「これしか、私には才能がないからな…聞いてくれるか?」
「勿論!!」
室内には彼の奏でるピアノの音だけが満ちる。
高い天井の上にまで反響して、一つ一つの音が体の奥まで響いていくような、そんな感覚。
巷に溢れる定番のクリスマスソングとは異なる、彼自身の作った彼の曲。
観客はただ一人、俺だけ…。
こんな贅沢、していいのかな?
「フリオニール」
演奏の終わった室内に残る残響音の中俺を呼ぶウォーリアに、小さく「何?」と聞き返す。
そっと彼のピアノを演奏していた細い指が伸び、俺の頬へと触れる。
そのまま、そっと俺の唇へ重なる彼の温もり。
キスされたんだと気づいたのは、彼が離れた後で。
その後直ぐに、俺の顔には血が上った。
それを見て微笑むウォーリアに、俺は恥ずかしくなってそっと俯く。
「もう一曲、聞いてくれ」
そんな俺に彼はそう言って俺の頭を撫でると、もう一度その手をピアノの鍵盤へとかけた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…アナノマ以外にも、本当はもう一本このWOLフリを考えていたクリスマスネタ。
先に思いついた方から着手した為に、どう考えても普通に更新するには間に合わなくなってしまったという…。
こっちの方が話としては綺麗なだけに、なんか更に残念な感じです。
そういえば、ブログでWOLフリ書いたのは初めて、でしたっけ?
うん?記憶にないだけで、もしかしたら書いてたりして……まあいいか。
とにかく、メリークリスマスなのです!
PR