「今日はありがとう、楽しかった」
そう笑顔で言う君を、本当は帰したくなかったのだが…彼にだって家の事情がある。
同じ家で暮らす、そんな日が来たらどんなに幸せだろうか。
「フリオニール」
そっと彼の両肩に手を置く、どうかしたのかと尋ねる相手に対し、私は無言で唇を重ねる。
ビックリして跳ね上がる体を抑え、逃げられない様に強く抱き締める。
何度も何度も、逃げられない様に優しくキスを重ね。満足した頃にようやく解放すれば、耳や首筋まで真っ赤に染め上げて私を睨みつける相手。
「こ、こんなところで…キスする事ないだろ!」
キスの部分だけ声が小さくなったものの、全体的には私へ向けての苦言の叫びを上げる。
「すまない、君を離したくなくて」
「そ、れは……言葉にでもすればいいだろう……」
そう言ってそっぽを向いてしまうフリオニール。
「こんな所で、こういう事は駄目だ…絶対に」
「別にいいだろう、誰も見ていない」
駅近くの高架下、ここを通り抜けた先で彼とはもうお別れだから。
できるなら、帰ってからも私の事を想っていて欲しい……そう思っただけだ。
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……路チュウしているカップルは、人前で恥ずかしくないのだろうか…と思ってしまう人です。
フリオはきっと恥ずかしがるけど、他の攻めはどっちかというと周囲に見せつけたいからキスするとか…美味しいと思います。
現実で、そんなシーンは目撃したくないですけれどもね……ね?
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