「最近、近隣諸国の動向が怪しくなってきています」
「確かに」
王女の言葉に、私は正直に頷き返した。
国の事を第一に考える王女に対し、この場での嘘は逆に為にはならない。
彼女は強く、また同時に賢い方だ。
この国を治める王女としての役割を、彼女は立派に成し遂げている。
私は自分の持てる力を活用して、王女を支えるのが仕事だ。
「この国に足りない力とは、何でしょう?」
「そうですね……やはり、優秀な魔導士が不足している事が問題でしょう、特に人材不足なのは召喚士です」
「召喚士…ですか、貴方の使うものだけでは駄目なのですね?」
「はい、私が使える召喚魔法は専門の者と比べれば大したものせはありませんから」
謙遜でもなんでもなく、本当の事だ。
召喚士は、精霊・魔獣・魔物…とにかく、ありとあらゆる人外の存在をこの世界のどこか、あるいは別の世界から召喚し、自分と契約を結ぶ事で彼等を自分の力として使用する。
召喚魔法は、他の魔術とは少し趣が異なる。
白魔法を専門とする自分は、あまり召喚魔法は得意とは言えない。
召喚には魔力も必要であるが、召喚士としての力で必要なのは、むしろその人物の人柄とでも言うのだろうか?
力だけで従わせる術師は、彼等の中でも低級~中級までしか扱いきれない。
人間の持つ魔力よりも、人外である彼等の方が、持っている魔力は高いからだ。
だから、そんな術師はいつか自分の力に慢心し、彼等に見切りをつけられる。
そんな術師では意味がない。
我等が必要としているのは、本心から召喚した魔物達を付き従わせる、それだけの魅力を持った人物だ。
それだけの才能を発掘しなければならない。
「実は、私に一人心辺りがあるのです」
「まあ、本当ですか?」
「はい、私が見た限りにおいて、その青年は確かな才能を持っています、修行次第では、歴史に名を残す程の人物になるかもしれません」
むしろ、私にはそれだけの確信があった。
「そんな方が、この国に……」
「もっと正確に言うと、この城ですね」
「……城に?」
不思議そうに首をかしげる王女に、私は頷き返す。
「はい。私の言う人物は、実はこの春から訓練兵としてこの城で訓練を積んでいます」
「そんな方に、急に召喚士としての道を勧めてそちらを選らんでくれるものでしょうか?」
心配そうにそう言う王女に、私は微笑む。
「ご安心下さい王女、私がなんとか、説得してまいりましょう」
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という事で第一話、フリオ出てきてない!!
そしてDFFと書きつつ、出てるキャラが二人とも2のキャラだ。
……何で早速ヒルダ王女出したんだろう、自分。
次回、ミンウさんがフリオをヘッドハンティングしに行きます。
なんか、また2のキャラを出しそうな予感。
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